第二章

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「ずいぶんぐったりしてるね」 綺麗な箸使いでエビフライをもしょもしょ食べる善ちゃん やべ~善ちゃんかわいい~ 「うん、寝過ぎて頭痛い」 ほんとだよ! 寝過ぎて頭痛いんだよ! セクハラ野郎のこと善ちゃんに言えるわけないじゃん!! 男に襲われましたとか恥ずかしすぎるしそもそも元をただせば事故とはいえ自分が襲ったみたいだったし… 思い出すとなんとも言えない気持ちになる。 「そう、じゃあ今日は午後の授業も出られるね」 ニッコリ笑った善ちゃんを見てしまった…と落ち込んだ。 寝過ぎて、なんて言ったらサボれないじゃんサボれないじゃん! 「というか次郎ご飯それだけ?女子高生じゃあるまいしアロエヨーグルトのみっていうのはやめなよ」 「なんかお腹すいてない」 「そんなにほっそい体しててどうするの?なにかあったとき自分を守れないよ?」 「なにかってなに」 「わかってるくせに」 「う、」 それはあれなのか、先ほど体験してしまったホモ学園の諸事情ってやつなのか 言葉を詰まらせた俺に善ちゃんは少し驚いた顔をした。 「なに、ほんとにわかってるんだ?」 「いや、まぁ、うん」 ええ、経験してきました今しがた 「次郎は俺のものなんだから、俺のものを大切にしないなんて許さないよ」
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