第二章

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ーーーー ーーー ー side.? 「ちょっと七瀬、仕事してくださいよ」 男にしてはすこし高い声でさとされて、我に返った。 「やってるようっせェな」 あわてて書類に目を戻すが多分こいつには集中できてないことが分かっているだろう。 「なんなんですか今日は 昼休みから心ここに在らずって感じですけど?」 「なんでもねェよ」 「幸久!悩みごとか!俺が聞いてやろうか!!」 和樹がにこにこしながら俺の頭を撫でた。 ほんと和樹はいい奴だしかわいいし。 そうそう俺の好きなタイプはちょうど和樹のはずなんだ。 なのにさっきからチラつくのは名前もクラスも学年すらもわからない一生徒のことばかり。 日差しに透けても透けないような漆黒の髪の毛、それに比例した白くて柔らかい肌 あと何より目と唇 涙で濡れた垂れた目とそれに沿ったふたつのホクロがやけに妖艶で って俺はなに言ってんだ 「七瀬!また手が止まってますよ!」 きっとあれだな、 溜まってるんだな あんなもやし、タイプじゃねぇし 今夜はセフレでも呼ぶか 「はいはい、さすが副会長サマは真面目だなァ」 「喧嘩売ってるならうけてたちますよ、七瀬会長」
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