第二章

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ーーー ーー 次郎はいつも通り意気揚々と午後の授業をサボり部屋に帰った。 「シャワー浴びてー、おやつにヨーグルトたべてー、寝るー、」 予定をのんびりと口にしながらシャワールームに向かった。 ガチャン、 とシャワールームの部屋の扉が閉まり、次郎はシャワーを浴びはじめた。 一方その頃、 「今日は俺部屋もどる!」 条山和樹はエレベーター前のエントランスで元気に声を張り上げた。 例のごとく授業をサボり続けている彼はいつもなら役員たちの部屋に直行して、彼らの用意したベッタベタに甘いおやつを食べるのが日課だ。 「え~なんでよぉ~ 和樹ちゃん帰っちゃうのぉ」 チャラ~という次郎よりもさらにのんびりした口調と、うっっすい茶髪をなびかせたチャラチャライケメンがトレードマークである、 生徒会会計の要 千穂が残念そうに声をあげた。 「最近ぜんぜん帰ってないからな!先生に同室が帰ってきたって聞いたんだ!」 それに眉をよせたのは 「あ?和樹が他のやつと一つ屋根の下だと?ふざけんなよ」 先ほどからのおなじみ、生徒会長様の七瀬 幸久 「それでも帰る!幸久たちもかえれよ!!」 ずいぶん勝手な話である。 「和樹がかえるって言うなら着いてくぞ。同室に釘ささねぇと、な?」 ニヤリと笑った顔も相変わらず麗しい。 「それはそうですね。 和樹、わたしたちも着いて行っていいですか?」 線が細く、女顔とも男顔とも言えぬ中世的な美人、久住 和泉が会長に賛同した。 「しょーがねーなー!じゃあ行くぞ!」
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