第二章

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ーーーーー ーーーー ーーーー 「で、それはどういうこと?」 善ちゃんの怖いくらいいい笑顔の先には俺にぴったりと張り付いた和くんの姿。 「んー、俺もわかんない」 本当にわからない。 気がついたらぴっとりくっついていたのだ。 どうしようもなくてそのまま教室にきたらなぜかクラスメイトが遠い 「わかんないってなんだよ!!次郎がさみしいって言うから!!というか次郎も善と友達だったんだな!!」 友達、という言葉に善ちゃんが嫌そうな反応をみせた 「え?俺は君と友達になった覚えはないよ?」 「友達だろ!!!照れんなよ!!」 「和くん声でかい、しー」 憤慨したように叫びだした和くんの唇に人差し指を押し付けてなだめた。 「次郎、それ捨ててきなさい」 うぉ…善ちゃんも怒ってる… 笑顔が怖いです怖いです 「次郎は善と友達なんだろ!!俺は次郎と友達だから、友達の友達なら俺も友達だ!!!」 どういう理屈なんだそれは… 和くんにとっては全人類友達なのかな… 見た目はこんなに天使みたいなのに中身は小学生みたいだ。 「だから声でかいってば…」 朝はただでさえだるいのにもう疲れたよ 和くんのほっぺたを両手でつつむと無理矢理顔をこっちに向かせた。 「和くん、しー」 教室がざわめいた。 はたからみたら次郎が和樹にキスしようとしてる図だ。 突然の行動に和樹は顔を真っ赤にして慌てふためいた。 「俺うるさいの駄目なの、静かにして」 こくこく頷く和樹に納得したのか次郎はパッと手を離した。
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