第二章

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その様子を影から見ていて腹の中を煮え繰り返していたのはいつぞやの善の親衛隊たちだった。 「あぁ、善様かわいそう…」 「桐生次郎も気づけよ!馬鹿なの!?」 誰から見ても明白である善の次郎への好意に気づいていないのは次郎1人だった。 「というかまずくない?」 クラスメイトが囁き始める。 「桐生くん生徒会に目付けられちゃうじゃん」 平和主義である2Sには生徒会を崇拝する者は少なく、それよりも生徒会のお気に入りである和樹に気に入られた次郎への心配する気持ちが優っていた。 生徒会に目をつけられる=親衛隊からの制裁対象となる この学園ではこの方程式が当たり前であり日常であった。 すでにイレギュラーな和樹が生徒会に気に入られ、しかも和樹は生徒会からの加護があるために制裁はできない それによって生徒会の親衛隊はピリピリしていた。 だから次郎への八つ当たりが起こるのもありえない話ではなさそうだ。 クラスメイトの囁きを聞き取った善はため息をついた。 そうなるのを防ぐために苦手な委員長と組むことすらしたのに… まさか自分で持ってくるとはほんとこいつは阿呆なのか
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