第二章

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変わったことといえば善ちゃんの親衛隊さんに呼びだされたことくらい。 「桐生次郎、なんで条山と一緒にいるわけ?」 惚れでもした? 体育館裏で吐き捨てるように言われて首を傾げた。 「惚れてはいないけど、悪い子じゃないよ?」 「まさか桐生次郎まで誑かされるなんて思っても見なかった」 そう言ってため息をつく隊員さんたちだって和くんに負けてないくらい可愛らしい姿だ。 「君たちの大切な善ちゃんが嫌な思いでもしてるの?」 この子たちが怒るときは善ちゃんのためを思ってだけだと確信している。 「馬鹿にしてる?」 キッと睨みつけられてそんなまさか、と手をひらひら振った。 「僕たちは桐生次郎のことを心配して言ってんだよ」 「へ?」 「条山は生徒会様たちのお気に入りなんだよ、 そんな条山と一緒にいたら生徒会様に目をつけられるだろ」 …たしかにそんなこともあった 部屋に来たなんて言えない言えない 「たしかにあのキラキラアホ軍団に目をつけられるのはやだけどさー、害はないよね」 「馬鹿なの?生徒会様の親衛隊が黙ってるわけないじゃん」 「あぁ」 そりゃそうだ あんなかわいい和くんでさえ近寄ってるだけで親衛隊が嫌がってるって聞いた。 俺なんかが近寄ったら瞬殺されそう。 「うー、あー、 俺喧嘩弱いからやだなー」 まいったまいった 「リンチで済めばいいけど、最悪襲われるよ」 襲われる? 襲われ… 「はぁ?ないないないない 君たちみたいに可愛いならまだしも平均身長ぴったりのもやしなんて襲ってどうすんの」
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