第二章

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んーでも、 と次郎はすこし言いづらそうに目をそらし、 「善ちゃんに心配かけたことは謝るよ」 ごめんね、と薄く笑った。 親衛隊も、善も少々目を瞠ってから顔を赤らめた。 「…誤解してたみたいで悪かったよ」 おずおずと善が親衛隊に目を向けた。 「いえそんな!!わたしたちも誤解されるようなことしてごめんなさい!!」 でも! と隊長、栗山は続けた 「わたしたちは絶対に善様の大切にしている桐生次郎を傷つけることなんてしません!!」 その言葉に善はちょっと驚いて、微笑んだ。 向けられたことのないその心からの微笑みに親衛隊達は発狂しそうになるのをグッと抑えた。 次郎はその様子をそばで見ていて心がくすぐったいなぁなんて感じた。
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