第二章

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ーーーー ーー ー side.七瀬 俺は最高にイライラしていた。 なにに?知らねぇ 多分自分自身に、だと思う。 「七瀬、イライラするのやめてください。和樹が心配してますよ」 最近そういや和樹がいなかったっけ。 その和樹が今日は副会長、久住の膝の上でおとなしくケーキを食べている。 「今日も次郎とご飯食べる予定だったのに」 すこし不満そうな和樹に久住がさみしそうな顔をした。 次郎、という名前に思わず目を開いてしまった。 あの気にくわねぇ特待生か。 気にくわねぇのにいつもチラつくのはキスしたときの妖艶な姿。 俺がつけたキスマークはもう消えちまったんだろうか、なんてらしくねぇことを考えた。 「和樹、次郎ってどんなやつなんだァ?」 そう問いかけると和樹は嬉しそうな顔をした。 「次郎は優しいんだ!あとずっと寝てる!寂しがりやだし!」 その言葉に倒れそうになってる久住はほっておく。 この前までの俺なら嫉妬で桐生次郎を殺しに行きそうなものだが、いまはそんなどろどろした思いはなかった。 ん?なんでだ? 俺は和樹が好きなはずなのにな? 「?幸久??どうした?」 「…俺にもわかんねぇ」
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