第二章

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「本命としかヤりたくないならちゃんと断ればいいのにー」 会計の座るソファの向かいのソファにぽすん、と寝っ転がった。 ここ空調もきいてるし、ソファふわふわだしめっちゃいい感じのお昼寝スポットじゃん って…うわぁ なんでそんな傷ついたみたいな顔されなきゃいけないのよ会計さん 「君になにがわかんのぉ」 その悲しそうな顔のまま髪をかきあげる会計 「イメージ押し付けられてる俺の気持ち、君にわかんの?」 緩く伸ばす喋り方と、少しトーンを下げた囁きがアンバランスに混ざって変な感覚がした。 キラキラアホ軍団にもこんな顔するくらい嫌なことあんだなー、なんてぼんやり考えるくらいには、目の前のこいつは悲壮感ただよった顔をしていた。 だからって俺が会計さんに優しくする意味もない。 「わかんないよ、わかりたくもない」 俺の言葉に俯きかけていた顔をバッとあげる会計。 少し怒ったような顔をしていた。 「でもつらいならそれを人に伝えるくらいならいんじゃない?」 そうしないと潰れちゃうだろうし 、そう呟いてふわふわ生地のソファに顔をうずめた。 優しくする意味もないけど、わざわざもっと落とす意味もないからね
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