第二章

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「うわぁ、白」 会計がそろそろと手を伸ばし、俺の頬に触れた。 対照に俺は会計の髪の毛に手を伸ばした。 「地毛?きれーですねー」 「うん、地毛~ ハーフなんだよね~」 あぁ、通りで。 たしかに日本人離れした顔だ。 ペタペタとお互いの顔やら髪やらを寝っ転がったまま触れ合う光景は、はたからみたらどうなんだろう 少しそう思いながらも触り心地のよい髪の毛から手を離せなかった。 会計の手がゆっくり下におりて、親指が唇に触れた。 「血色よすぎぃ」 なぜか文句を言われた。 「そのゆるゆるした口調も一応素なんですねー」 全く違和感ないし。 「そう、両方とも俺だもん~ でも緩くない話し方するとらしくないって言われるからぁ~」 また悲しそうな顔に戻った。 いちいちころころ表情変わるなこの人。 「どっちでもいいのにねー」 思ったまんま口にすると会計は目を瞠った。 「俺やっぱ君のこと好きじゃないや~」 俺の唇を指でぷにぷにしながら会計が拗ねたようにつぶやいた。 「気が合いますねー」 俺もですよ、そう言って笑えば会計もゆるりと笑った。 そしてなぜかそのまま頭を抱えられるようにして抱きしめられた。 「苦しいですー」 「せいぜいくるしめ」 語尾の伸びない、少し低めの囁きが耳に直に響いて、 あぁ、この人やっぱこっちが素なんじゃねぇの なんて思いながらじっとしていた。
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