第二章

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「それよりなんか用事ですか」 暴れるのを諦めておとなしくするともっとギュッと抱きしめられた。 この無駄なスキンシップをどうにかしてほしい。 「ねぇ次郎、あの疫病神の条山君と仲良しって聞いたんだけど」 間違いだよね? 声だけで分かる 伊賀さん怒ってる怒ってる怒ってる 「え、あぁ、いえ、仲良しってほどでも…」 「ずっと一緒にいるんでしょ?」 それはくっついてくるんですよおおおお 「疫病神、ってほどじゃ…意外にいい子ですよ」 声はでかいしズバズバ言うし正直うっとおしい60%くらい占めてるけど、 人にものをはっきり言うのは悪いことではないし、(時と場合によりけりだけども) 素直ゆえならそれを否定することはしたくない 「なんだ、次郎もあいつの信者になっちゃった?」 そのとき底冷えするくらいの冷たい声が耳元で聞こえて、収まったはずの鳥肌がブワッとたった。 「意外に次郎もつまらないってことなのかな」
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