第三章

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「次郎はほんとに困る」 善ちゃんは行為を止め、首にしがみついた俺を抱きしめかえし、優しくあやした。 困るって一体なにが? なんて思ったけど頭こんがらがってるし、怖いし、なのに善ちゃんといると落ち着くし、 意味がわからない 「嫌だった?」 すこし悲しそうな善ちゃんの声に首を振った。 「なにがなんだかわかんなかった…とにかく変だった」 耳だけでまさか自分がそんなにパニックするなんてことにもパニックだった。 「嫌では、なかった」 善ちゃんに聞こえるか聞こえないかのボリュームでつぶやくと、どうやら聞こえたようで、 「そっか」 と優しい声が聞こえた。 そのままベッドの中で2人して相手をぎゅうぎゅう抱きしめて、はたからみたら恋人同士みたいな体制のままボーッとしていた。 「ごめんね、俺疲れてるみたい」 しばらくして善ちゃんはそうつぶやくと寝てしまったみたいだ。 ……善ちゃんの抱きしめる力半端ねぇ…抜け出せない… スウスウと安らかな寝息をききながら脱走しようと試みたが無駄だった。 あきらめてその体制に身を任せ、俺も寝てしまった。 結局当初の目的通り、睡眠たっぷりな日曜日をすごしたわけだ。
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