第三章

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ーーー ー 目を覚ますと善ちゃんが俺を抱きしめたままガン見していた …こわいこわい目力こわい 「…おは、よう?」 「こんばんは、だね。 もう夜だよ次郎」 「あ、そうなの」 道理で暗い そしてずいぶん頭がぽやぽや。一日寝てればそうなるか 「次郎痩せたね」 善ちゃんの俺を抱き締める手がスルリと腹回りを撫でた。 「んー…くすぐったい」 撫でるだけでわかるものなの? 「最後に食べたの、いつ?」 えっとー、昼は食べてないでしょ、朝も食べてないでしょ、昨日の夜は眠すぎて食べてないでしょ、昼は善ちゃんいなかったし和くんも拉致られてたから食べてないでしょ、朝はたべない派だから 「おとといの、夜?」 はたしか適当に食べた気がする 「は?なにそれ病気なの?」 「俺の体ってさー、三大欲求のうち睡眠欲が80パーセント占めてるようなもんだから、寝られればいいのー」 「だからガリガリなんだよ、ばか」 「なにそれかわいい善ちゃん」 ばか、の言い方が可愛すぎる 「茶化さないで。 今日は食べさせるからね 食堂いくよ」 すりすりと腹回りを撫でる手を止め、俺の手を掴むと無理矢理たたせて引っ張っていく。 「えー、めんどくさいよ」
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