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「それ、私の?」
あまり自信がないから
もしかしたら私より前に注文した人かもしれない、なんて今更思って
語尾がハテナになってしまう。
「あれ?ごめん間違えたかな」
思ったより素直にキャラメルフラペチーノを渡してきた。
この、かすめ取った人はいい人なのか
なんて思いながら自然に2人とも
キャラメルフラペチーノを渡した店員に目を向けた。
「あ、すみませんキャラメルフラペチーノトールサイズもう1つお出しします」
少し気まずそうに店員は、もう1つのキャラメルフラペチーノを出してきた。
私が間違えたのだ。
その事が分かると体中の血の気が引いたと同時に引いた血の気が、ぶわぁと溢れて巡りだした。
恥ずかしい。
かすめ取られたと思ってたのが、ただの勘違い。
「す、すみません」
顔を上げられなかった。
「いーえ。僕が横取りしたのかと思ってヒヤッとしたからよかった」
ふわっと私の頭が温かくなった。
あ、この人が頭に手を置いてるんだ
ぽんぽんと2回ほど軽く叩くと
クスッと笑って立ち去ってしまった。
右手にはキャラメルフラペチーノ
これが君との出会い。
この時は、あまり君の顔を覚えてなかった。
君は耳まで真っ赤になってて
可愛い子だなと思ったと言ってくれたね。
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