21歳の梅雨

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「スターバックスでは、どうも」 笑った顔が可愛い。なんて思った。 「あ、あの時の」 「うん、また会えるとは思ってなかったけどね」 クスッと笑ってコーヒーを飲んでる。 私から離れてソファに座る。 「あの、なぜ?私はここに?」 「ああ、覚えてないんだ」 「はい」 戸惑ってる私を少し面白そうに笑う男の人 また一口コーヒーを飲むと 「実はね、昨夜同じBARにいたんだ。 それで沙月さんを見つけて僕が声を掛けた。それで僕と僕の連れと沙月さん達で飲んだんだけど、そこは覚えて…ないよね?」 「…はい」 クスッと笑うと 「相当酔ってたからね、しょうがないよ。」 「すみません」 「それで、2人とも終電が無くなってたことに後から気付いて近くの僕の家に泊めたってとこかな?」 「え、え、菜乃華は?」 起き上がり辺りを探すけど誰もいない 「菜乃華さんはバイトがあるから先に帰ったよ」 「あ、そうですか」 それが事実なら迷惑極まりない。 スターバックスでも迷惑かけたのに 「あの、すみません迷惑かけました」 「謝らなくていいよ。僕も楽しかったし、また会えるの嬉しかったから」 くしゃっと笑う顔が、なんだか可愛いくて好きだなって思った。 つられて笑うと白いマグカップを指差して 「蜂蜜レモンティーだから飲んで二日酔いにいいから」 「あ、ありがとうございます」 ベッドから出てテーブルの前に座り白いマグカップを持って飲んだ。 甘くて 「美味しい」 私が飲んでるのを、静かに見ている男の人。 「それ飲んだらシャワー使っていいから、服は同じの嫌なら僕の貸すからさ」 ゆっくり立ち上がり出て行こうとするからつい 「あの!名前…私は鈴原沙月(すずはらさつき)です」 「僕は椎名優斗(しいなゆうと)ゆっくりしてって、特に予定無いからさ」 軽く会釈する 「シャワーお借りします。」 「はい、どうぞ」 くしゃっと笑う人 よく笑う人 笑顔が可愛い人 そんな印象だった。 *
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