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「なっ?」
それは異様な光景だった。
気付いた時、俺の目の前に居たのはもう一人の俺。
夢であって欲しい。
ドッペルゲンガーだったか?
全く同じ存在で、見たら何日以内に死ぬってやつ。
そんな事を考えていたら、もう一人の俺が笑った。
「大丈夫。君、もう生物学的には死亡してるから。」
と、それはもうにこやかな、それこそ何かお祝いでもするかの様なとびっきりの笑顔で。
「はぁっ!?」
「ちなみに、夢だと思ってるみたいだけど、これは夢みたいに覚めたりはしないよ?」
そう言ってもう一人の俺は、俺の顔を覗き込む様に見上げる。
俺がもう一人いて、俺がもう死んでるとか、夢でなければなんなんですかと小一時間問い詰めたい。
いい加減に覚めろよ、マジで。
と、そんな時、更に俺がもう一人。
「やぁ、私達。ずっと待っていたよ。」
だが、次の俺はもう一人の俺とは違い、俺よりも若干低い上背、丸みを帯びた体、高い声、存在を主張する二つの膨らみを持つ…
つまり女だった。
「俺、いい加減に起きろぉぉ!」
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