始まり

5/10
前へ
/13ページ
次へ
それから数分後。 二人の俺の話を聞く限りはこう言う事らしい。 俺は元々、僕と私と一緒の魂だったんだと。 ただ、次元だかが違うから正確には不明だが、気の遠くなる様な昔。 それこそ神話の一節にでも出てきそうな物語に巻き込まれた結果、魂が三つに別れ、今の今までバラバラになっていたとか。 「で?これからどうなるんだよ?」 そう、俺にとって大事なのはそこだ。 「うん、それはね…」 と僕が言いかけたその時、厳かな雰囲気を纏った声が辺りに響き渡った。 ━━━そこからは私が話しましょう━━━ まさかまだ増えるとか言わないよな? そう思いつつも視線を動かすと、俺以外の二人がある一方に向かい跪いているのが見えた。 「おい?」 疑問。 どうしたら良いのか、取り敢えずと俺もそちらを向いたのだが。 はて? 向いた先には誰もいない白い空間が広がるばかりで。 それなのに時が経つにつれて、確かにそこには何かがいるという気配だけが濃厚に近付いてくる。 そんな気配が間近に迫った時。 あれ? 気付けば俺も二人同様に跪いていた。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加