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━━━待たせてしまいましたね、我が子、いや、我が子らよ━━━
その声を改めて間近で聞いた瞬間、何故だか涙が溢れだし、視界が霞んでいく。
どうやら他の二人も同じ様で、何かを堪えようとする気配が伝わってくる。
気配が伝わると言うよりは直感的なものかもしれない。
ただ、確実に二人とも俺と同じ状況にあるのだけが漠然と分かった。
━━━さて、それでは約束の時です。三人とも、宜しいですね?━━━
「はい。」
「はい。」
二人が同じタイミングで肯定する、が。
「あ、いやいや。ちょっと待ってくれ!」
気を取り直した俺は声を上げる。
危ない、何も聞かずに流されるところだった。
「まず、どうなっているんだ?この空間にしたってそうだし、俺がもう死んでるとか、約束の時?だか知らないけど、夢にしちゃあ可笑しすぎるだろ。」
そこまで言って大きく一つ深呼吸。
「それより何より…」
俺は勢いよく顔を上げて。
「あんた一体何者なんだ?」
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