始まり

7/10
前へ
/13ページ
次へ
それはどこか微笑んでいる様な雰囲気を醸し出したまま、俺の問いに答えた。 ━━━貴方は私。私は貴方達の前身、元となる存在。原初の意思。貴方が落ちていた世界の言葉で表すならば、神と言うのが近いかもしれません。━━━ 携帯小説のテンプレみたいなものか? ふと思い出した最近読み始めたファンタジーみたいな展開に、一瞬目の前が暗くなる。 勘弁しろよ、まさかとは思うが転生フラグってやつかよ? 「その神様が一体何の用で俺達をここに?」 未だに信じれず、一刻も早く帰りたい思いと沸き上がる嫌な予感から、俺は些かぶっきらぼうな口調で姿の見えない存在に問い掛ける。 すると今度は若干困った様な、幼子をあやすかの様な雰囲気で声を発した。 ━━━私が呼んだのではありませんよ。寧ろ、貴方達に私が呼ばれたのですから。━━━ 俺達が? そう思い残りの二人を見ると、神の言葉に同意するかの様に俺を見て頷いている。 そして今度は二人が口を開いた。 「実のところ、僕は貴方に呼ばれてきたんですよ。」 は? 「ええ、私も同じ。そしてここに来て全て思い出したわ。」 俺の責任なのかよ?
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加