第2章 初めて女友達ができたらしい

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先日の一件から一週間経った昼下がり。 「浅黒、課題見せて。」 「やだ。」 人もまばらになってきた食堂で、ぽかぽかひなたぼっこしながら読書していると、小田が清々しいくらい図々しく課題の強奪にやって来た。 図書は勿論ラノベである。 「いいじゃん、減るもんじゃないんだから。」 「お前と話してる時間が無駄だわ。時間は減ってる。」 同じゼミを受けるだけあり、ほぼ毎日顔を合わし、さらに帰宅経路も同じ、更に互いの兄弟も知り合いの同士と来れば嫌でも顔馴染み程度にはなってしまう。 え?それだけ接点あって顔馴染み程度? うるせぇ禿げろ! 俺がそこそこ学力が高いことを知ったこの脳筋は、事あるごとにこうやって課題なり試験なりについて俺にすがって来るようになっていた。 「お前、本当蚤みたいに器小さいな。将来禿げるよ?」 「お前が図々しすぎるんだよ!! たまには飯の1つでも奢るくらいしたらどうだ! 毎度毎度もらうだけもらってトンズラしやがって!」 「お前とご飯とか嫌だし!キモい!」 「ありがとうございます!」 「え、何でお礼言ってんの?マジでキモい....」 そうか!小田は毎回こうやって罵倒することで俺を悦ばせてくれてたのか! このは様のその生ゴミを素手で触った時々のような表情!price less....! 「仕方ねぇな。 そんなご褒美貰っちゃったら課題なんていくらでもあげちゃうわー。 あ、これの次の提出分でいいか?」 「純粋に殺意わくわー。ありがとー。」 「おう。 けどお前、たまには自力でやれよ。一度も自力で解いてないだろ。 パパこのはの事が心配だよ。」 「誰がパパじゃ気持ち悪 「ありがとうございます!!」 もういいわそのノリ!!」
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