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「.....。」
小田は俺の言葉などまるで聞こえないかのように、先程にも増して携帯の画面に集中する。
だがそれがむしろ不自然で、俺の質問を明らかに肯定しているようだった。
何をそんなに誤魔化そうとしているのか。もうバレバレだろう。
てか、こいつオタク趣味隠すの下手くそすぎだし。
すぐ俺と勝平でカップリングしてくるし!
「なぁ、そう言うのばれたくないのは分かるけどさ、もっとこう、隠し方って有るだろ?
お前、そう言うの近くにあると直ぐホイホイつられて行っちゃうし。
お前ノンケでも構わず食ってるし。」
「...また、ホイホイ先生のパロディ使って、死にたいの...?」
「これホイホイ先生のネタじゃねーから!著作権は別にあるから!そのペンチどっから出した!?」
何?歯?爪?それかアレ!?
盛り上がって参りましたぁー!!?
「...あたしそんなんじゃないし。止めてくんない?」
何気なく話したつもりが、中々こいつには地雷だったようだ。オタクであることを隠しもしないのに、いざ誰かにそれを突き詰められると否定する。
こいつの考えてる事が良く分からない。
「お前が何を守りたくてそんな態度とってるのか、さっぱり分かんねー。
中途半端なオタクなら中二病と一緒に卒業した方が将来の為だぞ。」
「....。」
また黙るのか。まぁ、別に俺が困ることは何もないし、釈然としないがこの話はこれで終わりに
「...同類だって認めたら、またいなくなる。」
「えっ。」
俺は言葉に詰まった。
トラウマのような、何か良くない過去があるような口ぶりだ。
悩む所だ。ここで選択肢を間違えればこのはルート(バッドエンド)になりかねない。
好感度を下げる方向で...
「はぁ?友達でも何でもないのに、居なくなるとかならんとか、なにそんなくっそ重たいことを、言ってんだ?
くだらん、くだらん。
重いのは夏休みの前の小学生の鞄と、アレの日だけに......」
...決まった。最悪の一手だ!
もっと言えば、最悪の一手を出しきる前に、最強の張り手が出たのだが。
このスパンキング音の後、この一連の会話の中で最も大きな音声が放たれたそうだが、俺は正直あまり覚えてない。
俺の意識が上限逆さまになっているとき小田このははこういった。
「なら友達になってやる!同類だって認めてやる!それでてめぇをとびっきり後悔させてやるからな!!!」
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