第1章 弟が俺より先に恋をしたらしい

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「でも、小田さんはキンパツでもツインテールでもないし...。 あまつさえ幼なじみでもないよ。 ...どうやって攻略するのさ兄貴!」 「エロゲ基準で恋愛しようとすな! 一体いつ俺の秘蔵コレクション達を汚れ物にしやがった!」 怖い!思春期の発想が怖い!何でも純粋に受け入れちゃう! 今度正しい教材で教育し直さないと! クラ〇ドとかFat◯eとかね! 「勝平、取り敢えずゲームの話は置いておけ。大ケガするぞ。」 「う、うん。」 「先ず、その小田さんって子が気になるなら、仲良くなるために、挨拶以上の言葉のキャッチボールが必要だな。」 「おお。」 「例えばこうだ。 『おはよう、小田さん。朝早くから偉いね。』 『あ、お早う。えーっと.... うん、でも美化委員の仕事だから。他の人もいるし。』 『いやー、それでもすごいよ。大変な仕事なのに毎日続けるなんんて誰にもできることじゃない。』 『あー、そ、そうだね。それ、皆にも言ってあげてください。きっと喜びますよ。』 『そうだ。明日から俺も手伝ってもいいかな?君の手助けになればいいんだけど。』 『んー、そうだね。ありがとう。 あ、友達来たからそっちいくね、さようなら。』」「ウザがられてるじゃねーか!! 露骨にどっか言って欲しそうな感じになってるし! まともなお手本希望!」 いや、俺の弟だということを考慮した上で最も被ダメが小さいものを選択したんだけど。 「えー。じゃぁ、例えば、話しかけた瞬間先生呼ばれるとか? 話し掛けようとしたら、声がでなくてただの不気味なニヒルをぶら下げた変態になっちゃうとか。」 「それまさか兄貴の体験談じゃねーよな。」 「バカ言え。俺は会話でキョドったりしない! そもそも会話しないからな!!」 「読者に分からないからってそんなに涙と鼻水垂れ流すなよ。悪かったよ。 ほら、ティッシュ。ちーんして、ちーん。」 「ちーん! うっ...うぐっ...友達なんて、いらないやいっ....!」
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