第1章 弟が俺より先に恋をしたらしい

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...などというという会話を繰り広げたのが桜の花びらも散っていない4月のとある日の深夜である。 二人してリビングで深夜アニメ見ながらこんな事を話しているのだから、彼女どころか女友達すらできるわけがないだろう。 やっぱ、ライブライブのρ's(ローズ)で一番は北野こねこたんですなーデュフフwwww 「やっぱこの中ではこねこたんがいちばんですな兄者wwww」 「お前、俺と結婚した方が幸せになれるぞ。」 「...なにキモいこといってんの?」 上手いこと話をはぐらかせただろうか? 正直思春期の純な恋愛に口出しできるほど大学生の俺は清い心を持ってない。 正解が出ないのなら、諦めるのも一手なのだ。すまない弟よ。 その後も、今日放送分の深夜アニメを二人で数本見て、その後、某つぶやきサイトにレビューを投稿すると、それぞれ自室に戻り眠りに就く。 俺たちにとってはいつもの下らない日常の一コマであった。 しかし、こんな風にして、我々の日常崩壊のフラグは立ってしまったのであった。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 眠りについてからさほど時間は経っていないだろう。外はまだ暗い。 深夜3時越えからの就寝で、なかなか寝付けないということは珍しくない事だ。 そんな日は、眠くなるまでゲームをやったり学校の課題やったりすればいい。 そして今日も例外ではなく、まずは簡単な数学分野の問題解きを30分足らずで片付け、それでもめが冴えていたので、最近買ったギャルゲを進めていた。 無論、ジャンルはキンパツツインテールの幼なじみである。 時間は午前5時30分。単調なクリック作業は、いい感じに眠気を誘う。このまま布団に入れば、きっと瞬時に眠れるだろう。 しかし俺は思い出す。今日の講義は朝イチだと。 今から寝たところで7時には起きなければならないが、そんなの絶対起きれる筈がない。 ではどうするか? 簡単である。寝なければいい。もっと言えば講義中に寝ればいい。(※よいこはまねしちゃダメよ!) 外からは次第に鳥の鳴き声が聞こえ始め、ほんのりと日の光が当たり始めていた。 まだ、ひんやりとしているであろう外気は寝不足の体にはさぞ心地よかろう。 よし、目覚ましがてら散歩にでも出かけようか。
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