第1章 弟が俺より先に恋をしたらしい

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そうだ。どうせなら弟が見初めたという小田さんと言う少女がどんな子なのか拝見しようではないか。 弟が朝6:30に家を出るから、早朝清掃もそこれくいの時間で始まると予想される。 俺は簡単に着替え外出る。 やはり少しばかり肌寒いが、久しぶりの早朝の空気に地味にテンションがあがって来た。 家と中学校の往復はやや遠いが普段運動していないのだからこれくらいのウォーキングをしても悪くはないだろう。 「さー!今日も1日がんばるぞー!!」 ほぼ徹夜明けのテンションである。もう正直走り出したいくらいヒャッハーな感じなのに、さらに朝のウッヒョーなアレを浴びて、俺は完璧にナニしてしまっている。 「目玉焼き!醤油かけ!やーきーざーかなーーっ!!」 玄関の前で超かっこいいポージングを決める!さっきオカンがこさえていた朝ごはんのメニューだぁ!!ヒャッハー!! まだ家から10mも離れていない。 「くるのか?止めの一発!?起死回生のーーー.....!! M・I・S・O・S・I・R・U!!」 最後の一発決まる...やべ、ちょっとテンション下がって恥ずかしくなってきた。 しかし最後の必殺技奥義、味噌汁バスター(蜆)は決めなくてはならない!! 「食らえ!必殺技味噌汁b...」 「何やってるの?」 「スタァアオアァァ....///」←声にならないくらい恥ずかしい 俺が興奮してアレしてる間に、なんか、知らん女に背後を取られていた! すんません!見ないでください!今から恥ずか死にますから!? ....てかこいつどっかで見たことあるな。 「同じゼミの浅黒だよね?常々キモいやつだとは思ってたけど、本当ににキモかったんだね...。え、マジでヤバイよ?」 うわぁ、すっごいゴミを見るような目で見られてる。 あ、こいつどっかの講義で同じグループの奴だよ。なんか葉っぱみたいな名前してた気がする。忘れた。 「なんだよ、こっち見るなよ森田くすのき。」 「....誰だよそれ、私は小田このはだよ。名前も覚えられないとかホントに終わってるね。」 勘で名前言ったら華麗に外れてしまった。てへぺろ♪ 何この人、俺になんか、恨みでもあるの?そんなに罵られるとゾクゾクするんだけど。
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