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「朝早いんだね小田このはさん、さようなら。」
「キモいポーズ見られたからって露骨に逃げようとしないでよ。あんた実家生?地元あたしと一緒なんだね。」
なにこいつ、キモいキモい連呼してる癖に、会話続けようとしてきてる。
「あー、そうですね。他にもそう言う人いると思うんで、そいつらと仲良くしてみたらどうですか?」
過去20年で身につけた処世術で華麗にこの横暴女の回避を試みる。
あれ?この処世術、どっかで聞いたことがある気がする。
「そうだ、ここであったのも何かの縁だし、ちょっと用事に付き合ってよ。どうせ暇でしょ。」
「あーっと、どうかな?うーん。あ、ごめん。友達と待ち合わせしてるんだった。ちょっと行くね。さようなら。」
「そこまで拒絶されると心折れるんだけど!!」
「るせぇ!こちとらもうバッキバキのこっなごなに砕けちまってるっての!!」
もうホントになんなの?ゼミが同じってだけでこの馴れ馴れしさ!
美化委員の幼女とかもうどうでもいいから早く家に帰りたい...
「お姉ちゃん~。何で置いてくのぉ~?」
「いちいち忘れ物取りに帰るのなんて待ってられないもん。」
小田このはが歩いてきたであろう方向から、誰か走ってきた。ふむ、俺好みの幼女である。86点。
顔立ちが小田と似ている。妹なのだろうか。
「お姉ちゃんひどいー!」
「生意気な、母校の美化活動手伝うってんだからむしろ感謝しなさいよ。」
息を上げて走り寄って来た幼女の頬を引っ張る。横暴な小田(姉)。
しかめっ面で、「うひぇーーっ!」っていってる小田(妹)。もう、prprしていい?
「中学の早朝清掃か?」
「あ?そうだけど?」
「ほう。なるほど。」
この近所の中学なんぞ、俺の母校、弟の通う学校くらいなものだ。その中で、それに参加して小田と言う、弟と同い年くらいの少女と言えばもうかなり限られるだろう。
つまり、目の前の86点の少女が勝平の思い人で、間違いないだろう。
悪いな勝平。この子は俺の嫁だ。
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