第1章 弟が俺より先に恋をしたらしい

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「朝早いんだね小田このはさん、さようなら。」 「キモいポーズ見られたからって露骨に逃げようとしないでよ。あんた実家生?地元あたしと一緒なんだね。」 なにこいつ、キモいキモい連呼してる癖に、会話続けようとしてきてる。 「あー、そうですね。他にもそう言う人いると思うんで、そいつらと仲良くしてみたらどうですか?」 過去20年で身につけた処世術で華麗にこの横暴女の回避を試みる。 あれ?この処世術、どっかで聞いたことがある気がする。 「そうだ、ここであったのも何かの縁だし、ちょっと用事に付き合ってよ。どうせ暇でしょ。」 「あーっと、どうかな?うーん。あ、ごめん。友達と待ち合わせしてるんだった。ちょっと行くね。さようなら。」 「そこまで拒絶されると心折れるんだけど!!」 「るせぇ!こちとらもうバッキバキのこっなごなに砕けちまってるっての!!」 もうホントになんなの?ゼミが同じってだけでこの馴れ馴れしさ! 美化委員の幼女とかもうどうでもいいから早く家に帰りたい... 「お姉ちゃん~。何で置いてくのぉ~?」 「いちいち忘れ物取りに帰るのなんて待ってられないもん。」 小田このはが歩いてきたであろう方向から、誰か走ってきた。ふむ、俺好みの幼女である。86点。 顔立ちが小田と似ている。妹なのだろうか。 「お姉ちゃんひどいー!」 「生意気な、母校の美化活動手伝うってんだからむしろ感謝しなさいよ。」 息を上げて走り寄って来た幼女の頬を引っ張る。横暴な小田(姉)。 しかめっ面で、「うひぇーーっ!」っていってる小田(妹)。もう、prprしていい? 「中学の早朝清掃か?」 「あ?そうだけど?」 「ほう。なるほど。」 この近所の中学なんぞ、俺の母校、弟の通う学校くらいなものだ。その中で、それに参加して小田と言う、弟と同い年くらいの少女と言えばもうかなり限られるだろう。 つまり、目の前の86点の少女が勝平の思い人で、間違いないだろう。 悪いな勝平。この子は俺の嫁だ。
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