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『そ、そんな~』
俺が断った瞬間、都成さんの表情が悲愴な顔に変わっていく。
『そんなこと言わないでください! 私には良太さんしかいないんです。今の私には良太さんのお世話をすることが生きる意味なんです!!』
『って言われても、駄目なものは駄――』
『お願いします!!』
っ!!
や、やめてくれ。俺にその言葉は反則だ。
俺の一善レーダーが反応してしまう。
目の前で困っている人がいると助けたくなってしまう、その上『お願い』なんて言われると。
『私を助けてください!!』
『よし、任せとけ!!』
『え!!』
あぁぁぁ~~俺のバカぁ~~
つい条件反射的に言葉を返してしまった。
都成さんもその言葉聞いて目がキラキラしてるし……
だってしょうがないじゃないか、目の前に困っている人がいるんだろ?
それを助けずに何が一善だ。
開き直った俺は照れくささに頭をかきつつも都成さんを見る。
『分かった、それで都成さんが救われるならお世話になるよ。だから二度と自殺なんかするなよ』
『はい!!』
その笑顔を見てやっぱり嬉しくなる。
それに、昨日助けたのも何かの縁だし仲良くやりたいとは思う。
とりあえず同い年みたいだし「さん」は外すか。
しかし……お世話って何をするんだ?
反省点は俺の血筋ってところか……
あの後、昼休みになり『良太さん、お昼一緒に食べましょう!』と言ってきて承諾したらこのありさまだ。
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