お世話します!

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その瞬間、それまで遠巻きにしか見てこなかったクラスメイト達が一斉に詰め寄ってきた。 「それ、俺を聞きたかったんだよ! おまえいつの間に彼女作ったんだよ!?」 「ていうか、その子誰? どこのクラス?」 「どっちが最初に告白したの?」 「もうキスまでやっちゃってたり?」 「ちょ、ちょっと待ってくれよ!」 交際が発覚してマスコミに押しかけられてるタレントの気分だ。 だいたい奏と俺の関係なんて俺の方が聞きてーよ そうなんだよ答えたくても答えられない。 奏は俺の何だ? お世話するっていってもメイドってわけじゃないし。 当然、恋人ってわけでもない。 だからってただの知り合いでこの場が収まるわけもなく。 ああ、もう! こうなったら! 「奏!!」 「は、はい!」 周りが一気に騒がしくなったのにまだ1人しくしくしていた奏が俺に呼ばれえて背筋をピンと伸ばす。 「今、呼び捨てで……」「やっぱりそういう関係?」とかいう周りの声につっこみたかったが、まずはこちらが優先だ。 「お前にとって俺は何だ!?」 「私にとっての良太さんですか? それはもちろん――」 「「「「…………」」」」 みんな奏の口元に注目が集まる。 「私の命よりも大切な人です」 「「「きゃーーーー!!」」」 期待以上の返答に周りのテンションはMAX最早だれも止められない。 「何だ? 何かあったか?」って隣のクラスのやつらまで来てるし。 そうだったぁあぁぁ! 奏はそのつもりで俺の世話をしてるんだった……
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