ついていきます！

お世話します！

人の口に戸は出来ないとは言うが、まさにその通りで俺が下校するまでに既に学校のほとんどの人間が俺たちのことを知っていた。

「ただいま」

恥ずかしさから逃げるように学校を後にした俺は奏に見つからないように慎重に帰ってきた。

考えてみれば簡単だ。
もし奏が下校中の俺を見たらどうするだろう、当然付いて来るに決まってる。

やってること自体は悪いことじゃないから断り辛く、俺の出した方法は逃げる一択だ。

「おう、良太早かったな。お前にお客さんが来てるぞ」

「客？」

親父の言葉に首を傾げながら居間を覗く。

「あ、良太さんおかえりなさい」

そこには眩い笑顔の奏が居た。