第1章

3/7
前へ
/7ページ
次へ
先ほどまで遺書と財布が置いてあったベンチに座り、彼が自販機から買ってきたミルクセーキに口をつけた。 「甘いというのは美味いが変化したものだそうだ。だから甘いっていうのはプラスの感情で、せっかく死のうとするんならちょっとぐらい快楽貪ろうぜ」 などと言うのに彼はミネラルウォーターを飲んでいたのでそこを指摘すると、「みねらるうぉーたー、って語呂が好きなんだよほっとけ」と彼は照れくさそうに言った。 「じゃあ、メールアドレス交換して、明日から一緒に自殺の方法を調べようか」 そうして彼と別れた。 かくして私は、楽で痛くない自殺の方法などというあるかもわからないものを探すことになった。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加