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もうすぐ私の誕生日だ。
もうすぐ私、水沢里紅は16歳になる。
「ねぇねぇ、りくたん!もうすぐ誕生日だよね?何か欲しい物ある?」
会長は今日も仕事をせず私にひたすら話しかけてくる。
「いえ。特には」
本当はあるけど・・・
「じゃあ、頑張ってりくたんが好きな感じの探すよ!」
「あ、ありがとうございます」
会長から貰えるなら何でも嬉しいんだよね。
でも
私が会長にそんな事を言える筈も無く。
「それより会長、仕事をなさってください」
「あ、先生に呼ばれてたんだった!ちょっと待っててねー!」
会長は席を立ち、生徒会室を出て行ってしまった。
「全く・・・」
私が呆れていると突然やけに視線を感じ始めた。
「言えばよかったのに」
桜井先輩はにやにやしながら私に言う。
「何を、ですか?」
「上目遣いで私が欲しいのは会長ですって」
っ!?
「そ、そんな事言えるわけないでしょう!?」
「あはは、里紅ちゃん顔真っ赤」
「や、やめてくださいっ」
本当は思ってるけど・・・
私が欲しいのは会長って。
『わ、私は会長が欲しいです!』
『良いよ?貰って?』
『へ?』
『これからはずっと里紅の隣にいる。里紅が望んでる事何でもしてあげるよ』
『か、会長!?い、いきなり押し倒すのは!』
『里紅が望んでる事をしてるんだよ?今日は里紅の誕生日だからね』
『か、会長っ!学校でだめ・・・』
「な、何て破廉恥な!」
私は妄想すると、顔を熱くさせ言う。
「里紅ちゃん、どんな妄想したの!?」
「へっ?」
「本当分かりやすいのにね。里紅ちゃんは。何であの男は気づかないかな」
「会長は鈍感ですから・・・」
会長の彼女になりたい。
でも
素直になれない私には大変。
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