困ります、先輩!②~愛優side~

14/16
前へ
/142ページ
次へ
「浩也先輩、お疲れっしたー!」 「おぅ!またな!」 打ち上げが終わり、駅で解散するとあたしは里紅ちゃんにメールを送る。 《今日、晴れて浩也先輩の彼女になる事が出来ました。詳しくは今度遊ぶ時話すね(*^_^*)》 里紅ちゃんはどうなったかなぁ。 インターハイ最終日に来てくれたけど、マネージャーの仕事でバタバタしてあたしは話出来なかったんだよね。 こーちゃんは里紅ちゃんとちょっと話してたけど。 「帰ろっか、愛優ちゃん」 浩也先輩があたしに声をかける。 「え?浩也先輩、逆方向ですよね?」 「ほら、電車来ちゃう!早く、早く!」 「あ、浩也先輩!待ってください!」 あたしは浩也先輩を追いかけた。 浩也先輩、良いのかな。 逆方向なのに。 あたしと浩也先輩はあたしがいつも乗る電車に乗った。 「一人にすると寂しくて愛優ちゃんが泣くかもしれないからね」 「えっ?な、泣きませんよ!」 「さっき泣いてたじゃん」 「あ、あれは嬉し泣きです!」 「ふーん?寂しくないんだ」 「そ、そういう意味で言ったわけじゃ!」 「悪い、悪い。俺が愛優ちゃんといたかっただけだよ」 「えっ!?」 「打ち上げだとあいつらが邪魔しまくってさ」 「浩也先輩が好かれてる証拠ですよ」 「まあ、あいつらとサッカーできなくなるのは俺もすげぇ辛いけどね」 「本当うちの部は皆仲良いですもんね」 「引退したら愛優ちゃんともあんま会えなくなるしさ」 「浩也先輩、受験で忙しくなりますもんね」 「まあね。親への説得が大変だな、これから」 「あ、浩也先輩は長男でしたもんね」 「ああ。会社継げ言われるからさ。俺は体育大学に行きたいし、説得するつもり」 「浩也先輩はサッカーに携わる仕事がしたいんですね」 「うん。愛優ちゃんは進路決まった?」 「あたしはまだです。あたしはこれから見つけるって感じですね」 「まあ、まだ二年だからな」 浩也先輩はもうやりたい事が決まっているんだなぁ。 受験、かぁ。 来年の春まできっとあっという間なんだろうな。
/142ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加