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「浩也先輩、お疲れっしたー!」
「おぅ!またな!」
打ち上げが終わり、駅で解散するとあたしは里紅ちゃんにメールを送る。
《今日、晴れて浩也先輩の彼女になる事が出来ました。詳しくは今度遊ぶ時話すね(*^_^*)》
里紅ちゃんはどうなったかなぁ。
インターハイ最終日に来てくれたけど、マネージャーの仕事でバタバタしてあたしは話出来なかったんだよね。
こーちゃんは里紅ちゃんとちょっと話してたけど。
「帰ろっか、愛優ちゃん」
浩也先輩があたしに声をかける。
「え?浩也先輩、逆方向ですよね?」
「ほら、電車来ちゃう!早く、早く!」
「あ、浩也先輩!待ってください!」
あたしは浩也先輩を追いかけた。
浩也先輩、良いのかな。
逆方向なのに。
あたしと浩也先輩はあたしがいつも乗る電車に乗った。
「一人にすると寂しくて愛優ちゃんが泣くかもしれないからね」
「えっ?な、泣きませんよ!」
「さっき泣いてたじゃん」
「あ、あれは嬉し泣きです!」
「ふーん?寂しくないんだ」
「そ、そういう意味で言ったわけじゃ!」
「悪い、悪い。俺が愛優ちゃんといたかっただけだよ」
「えっ!?」
「打ち上げだとあいつらが邪魔しまくってさ」
「浩也先輩が好かれてる証拠ですよ」
「まあ、あいつらとサッカーできなくなるのは俺もすげぇ辛いけどね」
「本当うちの部は皆仲良いですもんね」
「引退したら愛優ちゃんともあんま会えなくなるしさ」
「浩也先輩、受験で忙しくなりますもんね」
「まあね。親への説得が大変だな、これから」
「あ、浩也先輩は長男でしたもんね」
「ああ。会社継げ言われるからさ。俺は体育大学に行きたいし、説得するつもり」
「浩也先輩はサッカーに携わる仕事がしたいんですね」
「うん。愛優ちゃんは進路決まった?」
「あたしはまだです。あたしはこれから見つけるって感じですね」
「まあ、まだ二年だからな」
浩也先輩はもうやりたい事が決まっているんだなぁ。
受験、かぁ。
来年の春まできっとあっという間なんだろうな。
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