困ります、先輩!②~愛優side~

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「送って頂いてありがとうございました」 浩也先輩はあたしを家の前まで送ってくれた。 「じゃあ、また連絡するわ。デートしたいし」 「で、デート・・・」 「愛優ちゃん寂しくて仕方ないみたいだし、俺んち泊まるとか?」 「そ、そんなのまだ早いです!破廉恥です!」 「ん?愛優ちゃん、破廉恥って何考えたのかな?」 「ひ、浩也先輩が言うと変な意味に聞こえるんです!」 「そういうの期待してるって事か?」 「ち、違います!」 「かーわいい。そんなんで動揺してると先が思いやられるな」 「へ?」 「俺、ガンガン行くつもりだから」 「ひ、浩也先輩っ!?」 「愛優ちゃん、覚悟しといてね」 浩也先輩はにやっと笑って言う。 うっ・・・ 浩也先輩は意地悪だもんなぁ。 大変な事になる予感が。 「ひ、浩也先輩・・・」 「さて、そろそろ帰るわ。親御さんが心配するからね」 「あ・・・」 「愛優ちゃん?」 「あ、あたし・・・もうちょっとだけ浩也先輩と一緒に過ごしたいです」 あ、あたし何言ってるんだろ! 困らせたくないのにっ! 「そんな可愛い事言われたら連れて帰りたくなるじゃん」 「ひ、浩也先輩!」 「だめだよ、愛優ちゃん。今の俺は愛優ちゃん連れて帰ったら何するか分かんないから」 「ひ、浩也先輩は狼ですか」 「愛優ちゃんにだけ、ね」 「あ、あたしにだけ・・・」 「だから今日はここまで。次は分かんないけど」 「えっ!?」 「おやすみ、愛優ちゃん。また連絡する」 「は、はい。おやすみなさい・・・」 浩也先輩はあたしに笑って手を振ると、その場を立ち去った。 初めての彼氏が出来た。 浩也先輩の彼女になるって事はこれからかなり大変かも。 次は分かんないって・・・ 「浩也先輩になら良い・・・とか。あたし、こんな大胆だっけ・・・」 顔がやけに熱い。 全部浩也先輩のせい。 あたしばかり浩也先輩にドキドキしている。 やばいなぁ。 こんな顔、お母さんに見せられないよ。 浩也先輩にもっと会いたい、早くデートがしたい。 危険な予感がするけど。 家に帰ると、あたしはベッドに飛び込んで浩也先輩の事ばかり考えてかなり疲れてるはずなのになかなか寝付けなかった。 だめだぁ。 浩也先輩にこれからたくさん振り回されちゃう予感。 (つづく)
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