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「うっせえ! お前はとにかく早く思い出せばいいんだよ!」
「思い出さないあなたが悪いのです。お覚悟を」
「うわああ! やだー! 死にたくないー!」
カズマは取り押さえられ頭に変な機械を付けられた。ランがカズマをすくみあがらせる視線で睨み付け、ヒエバナが装置を起動させる。そして、カズマの記憶は過去へと飛んだ。
カズマの意識は闇の中にいた。
「カズくん・・・カズくん・・・」
優しい少女の声が呼びかけてくる。
「目覚めて、ヒーロー」
「はっ!」
カズマは我に返った。目の前に可愛らしい美少女がいた。
「あなたが俺を呼んだのか!」
「今呼んだのはあたしだけど、待っている人はあっち」
そっちにいたのは偉そうなおっさんだった。
「なんだい、あんたは? 俺を呼ぶなら可愛い美少女かいたいけな子供だけにして欲しいものだが」
おっさんは肩をぷるぷる震わせてから怒った。
「何を寝ぼけているか! カズマ・ハガクレ! 今は作戦会議中だぞ!」
「はっ、そうでした! 申し訳ありません、司令!」
カズマは全てを思い出していた。自分は地球防衛特務機関 ARP の人間で、怪獣迎撃用の人型兵器アーノルドのパイロットなのだ。
今は作戦会議室で同じチームのパイロット達と一緒にミーティングを受けている。今すぐ怪獣が出現するわけではないが、現れそうな危険度が上がっているので注意するようにとのことだ。
「何で寝ぼけていたんだろう」
「ふふっ、変なカズくん」
隣で微笑んでいるのは同じチームのミワ・ミカド。ふんわりとしたお嬢様で自分より少し前にここに赴任した少し先輩だ。こんな見た目でもアーノルドへの適性と資質はずば抜けているらしい。後輩が出来て彼女は上機嫌な様子だ。
そんな彼女にも司令官の叱責が飛ぶ。
「ミワ・ミカド! お前もいつまでも新人気分でおらず、しっかりと職務をこなすことを意識するように!」
「はい! 先生!」
「わたしは司令だ!」
周囲から緩い笑いとため息がもれる。司令は気を取り直してから話を続けた。
「怪獣はいつ出現するか分からん。警戒をおこたらずいつでも出撃出来るように備えておけ。解散!」
退室していく軍のパイロットや関係者達。カズマがぼんやりと立っているとミワが声を掛けてきた。
「ねえ、カズくんはまだここのことをよく知らないでしょう。あたしが案内してあげる」
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