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「……なるほどね。つまり、時間さえあれば作れるってことかしら」
「流石だ、涼子よ。その通りだ」
どういうことだ? 要するに、作れるってことでいいのか?
「察しが悪いな、貴様は。この私を誰だと思っているのだ? 天才科学者兼黒魔術師の袴田弥宵だぞ」
「どこのマッドサイエンティストだ、そりゃ……」
「はっはっはっ! 心配無用っ! 任せろ、数日には必ず幼女化を解除する毒薬を発明してやる!」
「いや、さらっと毒薬って言った!?」
大丈夫なのか? 本当にこの人に任せても大丈夫なのか?
言い知れぬ不安が募る中、涼子先輩が当面の問題を切り出した。
「とすれば、後はその数日間……その子をどう隠しておくかってことね」
我関せずと言わんばかりに、幼女美月は 俺の膝の上でカップアイスを食べ始める。
……一体誰のことで頭を抱えているのか分かっちゃいねーな、こいつ。
でも確かに、この幼女美月を白昼の下へ晒すわけにはいかない。
「これはもう、誰かの家に連れて行くしかないかしらね」
「だ、誰って一体誰のところにですか……?」
と、ゆかりが目をパチパチさせ、未だ信じられない表情を浮かべていた。
「そうね。蒼介君は、どこがいいと思うかしら?」
「……学校に、皆で泊まるとかはダメっすか? 」
「無理ね。もし教師陣に今回のことがバレたら、生徒会は何をしているのかってことになり兼ねないわ」
「……やっぱりそうですよね。美月の家にそのまま帰すわけにもいかないし……ゆかり、お前のところはどうだ?」
「……わっ、わたしの家ですかっ?」
「ああ」
「えっ、えーと……難しいと思います。わたしの両親は、昔の美月ちゃんを知っているので、面影でバレちゃうかもしれません……」
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