第1.5章 幼女美月

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「……確かに。だとしたら」 俺は袴田先輩を見つめる。 却下。 即答だった。 というか、今回の元凶であるこのマッドサイエンティストに美月を預けたら 、さらなる人体実験に利用されそうで怖い。 「涼子先輩は……どうですか?」 頼みの綱の先輩に告げる俺。 「私? 別に構わないわよ」 「マジですか!?」 「ええ」 「じゃ、じゃあお願いしま──」 「ただし」 と、先輩は一言加えて、 「数日後には、美月ちゃんが美月ちゃんで無くなってるかもしれないけれどね。うふふふふふふ」 なっ、何をする気だ、この人。 涼子先輩の瞳がキラリ光った。とてもじゃないがこの人にも預けられる気がしない……。 「……はぁ」 俺はふかーく、おーきくため息を一つ溢す。 いや、まぁ、そのさ。最初から分かってはいたけどね。 でも、やっぱり実際現実に直面すると、すごーく不安というか何と言うか。 「蒼介君、任せたわね」 にこやかな笑みを浮かべて、涼子先輩はさらりと言った。 「……わ、わかりました」 反論すらできない眼光。男ってのは、いつの時代も不憫である。 男女平等とは、一体全体何なのだろうか……。 「でも、本当にいいんですか? 仕方ないとは言え、俺の家……かなりボロいし……。それに美月の家には何て話せば……」 「美月ちゃんの家には、生徒会のメンバーで勉強合宿でもすると言えば問題ないわ。それに案外、本人は嬉しがるかもしれないわよ」 「……俺には、到底そうには……」 「仕方ないわね。じゃあゆかりちゃんに一緒に泊まってもらったらどうかしら? 幸い、明日は休日だしゆっくりお泊まりを楽しめばいいわ」 「ふぇっ!? わわわ、わたしも桐生君の家に泊まるのですか!?」 「あら、不満?」 「……ふ、不満では、ないですけど……」 みるみるゆかりの顔色が赤く染まっていく。 ゆゆゆ、ゆかりも泊まる!? って、ままま、マジかよ……。
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