第1話

第一章

母が幽子先生を崇拝するようにまでそう時間はかかりませんでした。

もともと母は単純で馬鹿ですし、心の弱い人ですから。

まぁ、母も寂しかったのでしょう。

早くに両親を亡くし友達もいない母は、ほとんど家から出ることもありませんでした。

母は人付き合いが苦手なくせに、そのくせ寂しがりやという面倒極まりない性格なのです。