第一章

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今日もまた目が覚めてしまいました。 私の一日は絶望から始まります。 どうして眠っているうちに死んでしまうことができないのでしょう。 雪山で遭難して眠るように死んでいく人たちが羨ましくてなりません。 一日の始まりが絶望なら、一日の終わりは祈りです。 明日こそ目が覚めませんように。 毎晩眠りに落ちる寸前まで、そう私は神に祈ります。 それなのに、今日も私は生きています。
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