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「カレン、起きてるの?ごはんよぉぉ」
母の甲高い声が私を現実の世界へ引き戻します。
「カレンちゃん。さあ、起きていらっしゃぁい。美味しいご飯ですよぉ」
その粘っこい猫撫で声に思わず鳥肌が立ちます。朝からずいぶんと機嫌がいいようです。きっとあの女が来ているに違いありません。
沈んだ気持ちのまま階段を下りると、リビングからは少女のような笑い声が微かに聞こえます。
やはり幽子先生が来ていました。
ため息一つ、私はそっとドアを開けました。
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