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「……どうして…知っているの?
………私の名前を…!」
…わけが分からず、呆然とした顔で響を見る。
響の名前を私は知っている。けど、私はまだ、“自分の名前”を響に名乗っていない。
『花音』
名前を呼ばれて、今更そのことに気が付いた私も私だけど…
なぜ? と、新たに疑問が湧き起こる。
響は視線を逸らさず、私を見た後、
「……翔から幼なじみの名前は、“ かのん ” だって、何度も聞いていたから」
差し出してくれていた手を一度下げてから答えた。
「あ。翔、から…?」
「…幼なじみがいて、今度のイブのライブに呼んでるって…聞かされていたんだ」
意外…!
翔が、私の存在を響に話してたなんて…。
ちょっと驚きだった。
「まさか、俺の目の前でノリが悪かった君…が、花音だとは思わなかったけど」
「す、すみません! …ノリ悪くて!」
慌てて頭を下げて謝った。
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