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…もう一度、送って見よう。
それでメッセージに気づくかもしれない。
不安を拭いさるために、私は昨夜の返事を待たずに、次のメッセージを送ることにした。
《今、秘密基地へ向かってます!》
“ 秘密基地 ” とは、昨日行った地下にある元バーのこと。
メンバー内ではそう呼ばれていることを昨日の別れ際、響が教えてくれた。
その時にまたここに来てもいいと、許可をもらっている。
だから返事はないけど私はもう一度、響と再会したあの秘密基地へ行ってみるつもりだった。
…メッセージを送ってから数分経つ。
スマホをチラチラ見るのを止められない。
もう一度ラインを開く。
…うーん。
既読マークがつかない…。
響、スマホを持ち歩いていないとか…?
具合が悪くて寝込んでいるとか?
学校にいる間、お昼で学食に行った時はもちろん、教室移動や体育の授業でグラウンドにいる時も、私はアンテナを張って響の姿をキャッチしようと努めた。
なのに、
…未だキャッチ、できず!
…不安ばかりが募っていた。
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