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瞳、返事早いっ。なんて思って画面を見たら、
「……わあッ!!」
つい大きな声を出してしまった私は、パッと顔をあげた。近くいた乗客数人と目が合う。
私は慌ててあごの辺りまでしかない短い横髪を手で梳きながら、顔を必死で隠した。
……き、きた…返事、
響から メッセージだっ…!!
どうしよう!? 名前を見ただけで、顔が…勝手ににやけてくる…!
興奮したまま改めてスマホを力強くタップして、響からのメッセージの内容を確認した。
《いいよ》
「それだけ?!」
と、また思わず声を出してしまった。
刺すような視線をまた感じて、今度は体を縮こませる。
私は短いメッセージをジーっと凝視した。
追加で新しいメッセージが来るかもしれないと待ってみる。けれど、
……来ない…。
私は、《もうすぐ最寄駅に着きます》と、キラキラ絵文字つきメッセージをすぐに響へ送った。
あー早く会いたい! 響の元へ今すぐ飛んで行きたいっ!
スマホをバックにしまうと、一人うずうずそわそわ。
秘密基地の最寄駅に着くまでの数分間、電車の速度がいつもより遅くまどろっこしく感じた。
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