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「あ…今日はありがとう。佐々原さん。花音に付き合ってここまで来てくれて」 …わっ…! 翔ったら… 瞳に私が見たことないくらい爽やかな笑顔を返してる! 「ううん。私もライブに興味あったから。翔君がバンドでギターやってるって花音から聞いて、絶対に行きたいって思ってたの!」 「そうなんだ。来てくれて嬉しいよ」 「それよりチケット代、本当に払わなくてもいいの?」 「いいよいいよ! おごり! 楽しんでいって」 「…ありがとう。今度なにかでお礼するね!」 翔は瞳が微笑むと少し照れていた。 …きっと翔は瞳みたいな、大人っぽい美人に弱いにちがいない…! 私に対しては迷子扱いなのに瞳に対してはちょっと…紳士的? 扱いが…全然違う! 瞳と翔がちょっといいかんじ? と思ったけど、よく考えたら翔は普段から私以外にはとても優しく、丁寧な対応をする。私のことはいつも子ども扱い。 …別にいいんだけどね。私に対して女性扱いじゃなくてもー! なんてことをちょっとむっとしながら思っていたら、急に翔と目が合った。 直ぐに私がしているマフラーに視線が移り、翔はにやっと笑った。
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