第1幕 こちら、幸福安心委員会です。

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今日も、幸せじゃない人間がステージにやってくる。 「サイレン様・・・ごめんなさい・・・許してください・・・!なんでもしますから・・・!!」 そして醜い声で、私にすがってくる。 嫌、あなたみたいな不幸な人間に触られたら私が汚れてしまうわ!近寄らないでいただける? 「あら・・・あなたが幸せだったら、幸福安心委員会は要らないのよ?」 本当ね。私の言ったとおり。幸せな人間しかいなかったら、幸福安心委員会は存在していないわ! 「た・・・すけて!助けて!自分を許して!サイレン様!助けてくれ・・・」 なんかもう、この人は精神的にいっちゃってる。まあ、これから幸せになってはもらうけど、私もこれ以上この人間に関わりたくないわね・・・。 「ねぇ、あなたさっき『なんでもする』って言ったわよね?」 私は優しく語りかけてあげる。 「はい!サイレン様のためなら・・・なんでもします!!」 「ーーーじゃあ、幸せになって?」 私が言った途端、不幸な人間の前に、たくさんの項目が現れる。 「絞首、斬首、銃殺、釜茹で、溺死、電気、火炙り、生き埋め、薬殺、石打ち、鋸、磔、好きなのを選んでね♪」 軽快なリズムにのせて、私は唄う。 この人間が、幸福になるための素敵な唄を! 「・・・ざ、斬首で・・・斬首でお願いします!!」 人間は、笑いながら涙を流す。 はい、わかりました♪ ーーシアワセニナッテネ♪ 人間の首に、銀色に輝くギロチンの刃が下りる。 綺麗なステージの床を、鮮血が染め上げる。 「幸福なのは義務なんです♪幸福なのは義務なんです♪幸福なのは義務なんです♪幸せですか?義務ですよ?」 私は歓声を上げる市民たちの真ん中で、幸福の唄を唄う。 そこで私の歌を聴いているあなた。 あなたは幸せ? あなたはいつも、オンディーヌに監視されている。 幸せじゃなかったら、 あなたも今の醜い人間のような末路を辿ることになります。 それが嫌なら、この唄を思い出して。 きっと、幸せになれるはずよ♪ 「幸福なのは義務なんです♪幸福なのは義務なんです♪幸福なのは義務なんです♪ 幸せじゃないならーーー」
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