第1章

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出た…っ! 「もっ、もしもし…っ!」 噛んだ…。 バクバクなる心臓の音。 やばい、声が震える…! 噛んだことが恥ずかしくて、緊張しすぎて、私は止まることなく言葉を発し続けた。 「あのっ、宮内梨莉です!優也先輩、今日は少しだけ一緒にいれて楽しかったです!連絡先、教えてくれてありがとうございました。」 ふぅ…と、息をつく。 言いたいことは、とりあえずは言えた…! 「…」 あっ、あれ? 先輩の声が、聞こえない… 私…まずいこと、言ったかな? どうしよう… 返事をもらえないことにパニクっていると、耳元に声が聞こえた。 『…連絡ありがと。嬉しいよ』 「…!!」 その言葉に、飛び跳ねたいほどの嬉しさが走る。 あのずっと憧れだった先輩と、電話してるなんて… 『ケー番登録しとく。梨莉ちゃん、いつでもかけてきて』 その言葉に、また嬉しくなる。 「はっ、はい!ありがとうございます…っ!」 『じゃ、今日はちょっと用事あるから切るわ。ごめんな、また電話しよ。またね』 「はい!さようなら!」 そのあとに、ツーツー.と冷たい機械音が耳元に聞こえてきた。
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