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出た…っ!
「もっ、もしもし…っ!」
噛んだ…。
バクバクなる心臓の音。
やばい、声が震える…!
噛んだことが恥ずかしくて、緊張しすぎて、私は止まることなく言葉を発し続けた。
「あのっ、宮内梨莉です!優也先輩、今日は少しだけ一緒にいれて楽しかったです!連絡先、教えてくれてありがとうございました。」
ふぅ…と、息をつく。
言いたいことは、とりあえずは言えた…!
「…」
あっ、あれ?
先輩の声が、聞こえない…
私…まずいこと、言ったかな?
どうしよう…
返事をもらえないことにパニクっていると、耳元に声が聞こえた。
『…連絡ありがと。嬉しいよ』
「…!!」
その言葉に、飛び跳ねたいほどの嬉しさが走る。
あのずっと憧れだった先輩と、電話してるなんて…
『ケー番登録しとく。梨莉ちゃん、いつでもかけてきて』
その言葉に、また嬉しくなる。
「はっ、はい!ありがとうございます…っ!」
『じゃ、今日はちょっと用事あるから切るわ。ごめんな、また電話しよ。またね』
「はい!さようなら!」
そのあとに、ツーツー.と冷たい機械音が耳元に聞こえてきた。
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