第1章

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高校の合格発表の日。 張り出された高校の掲示板に、自分の番号を探した。 喜んでいる人、泣きそうな人。 わくわくして、期待しつつも緊張が隠せずに掲示板に向かって行く人。 人混みの中に、わたし達はいた。 メガネをかけて、少しずつ近づいていく掲示板を見て目を凝らす。 だんだん、おっきくなっていく番号。 それに比例してバクバクと心臓が波打った。 『あ、あった!!!』 『あたしも!!』 一緒に来ていた中学校からの親友、葉月も声をあげた。 嬉しくて、二人で飛び上がる。 番号を見に行く人達が後ろにいたため、わたし達はその場を抜けた。 掲示板の近くでは、吹奏楽が、演奏で合格を祝っている。 それぞれの部活のユニフォームを着た人達が、各部活のビラを配っている。 合格を知った私たちには、それが華やかに見えた。 新しい“高校”という場に、期待が高まる。 『二人とも背高いね!バレー部よかったら見に来てね!』 そう言われてビラを渡される。 確かに、私と葉月は背が高い。 『あ、はい』 曖昧に返事をしながらとりあえずビラをもらう。 背高いの…気にしてるんだけどな…
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