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「……なぁ」 取扱説明書を片手に、 小坂がふと首を傾げた。 「なんか……廊下、煩くないか?」 「そう言われれば、確かにそうね」 「あ、はい! 俺、見てきます!」 「ちょっと、仕事は?!」 「インストール終了まで、あと7分!」 あっという間に見えなくなる、 塙の背中。 「おー、さすが営業部。行動早いなー」 「元陸上部らしいわよ」 「なるほど。いいフォームだった訳だ」 「でも、何かしらね」 「だな。こんな時期、時間帯に」 終礼まで、あと1時間と少し。 確かに、微妙な時間である。
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