4

6/40
前へ
/40ページ
次へ
「はい、新規事業部」 手を出した井出の視界から奪うように、 智樹は受話器を掻っ攫った。 『三上か。藤澤だ』 「え、専務?」 『噂は届いてるか』 「不審者の件でしたら……」 『心当たりは?』 「……あります」 『警備員の対応が手荒だったようで、  少し怯えてるんだ。  今は妻が宥めているんだが、  君も来てくれないか。  管理部横の会議室だ』 「すぐ、参ります」 言ったときには、腰が浮いていた。 「悪い。席を外す」 「分かりました。気をつけて。  セットアップはやっときますから」
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

99人が本棚に入れています
本棚に追加