第1章

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「じゃあ桐崎さんと佐野さんは野菜切ったりお米を磨ぐ係ね、僕と晴輝は火を点ける係ね」 「りーかいです!」 綾が元気に返事をする 「こんな奴に料理任せられんのか?」 晴輝が舞を指差しながら言った 「伊波くんこそ間違えて材料燃やさないでね 舞が嫌みたらしく言い返す 「なんだと?」 二人の間には火花が散っていた ー15分前ー 「お、裕紀も4班じゃんか」 聞き覚えのある声が舞の耳に入ってくる そこ声の主を見る 「あーっ!」 舞が指差す その先には今朝舞を不機嫌にさせた男子生徒、晴輝がいた 「おまえも同じ班かよ」 「それはこっちの台詞よ!」 言い争いをしているとき、くじを引き終えた綾がやって来た 「まいー、私も4班になったよ…って、なにしてんの?」 「あ、佐野さんも同じ班なんだ、よろしく」 「うん、よろしくね三谷くん!…で、お二人さんはなんで喧嘩してるの?」 「あはは、さっきからあの調子なんだ」 裕紀と綾が居ることも気にせず二人は言い争っていた 「それじゃあ、各班ごとに集まって昼食に作るカレーの役割分担を決めといてくれ」 この担任の指示が二人の言い争いをひとまず止めた ーそして現在ー また二人の間で言い争いが始まろうとしていた 「二人とも落ち着いて」 「そうだよ、せっかくの校外学習なんだよ?仲良くしようよ」 裕紀と綾が止めに入る 「…わかったよ」 晴輝が言葉を止める それに続いて舞も言葉を止める 「三谷くん、こんなので大丈夫かな?」 「大丈夫じゃない気がする」 裕紀と綾は不安が募っていった キーンコーン… 授業の終わりのチャイムが鳴る 「じゃあ、各班の代表は班員が書いてある紙を提出してから帰ってくれ」
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