1

7/10
前へ
/37ページ
次へ
赤く染まっているであろう頬のままでは部活に顔を出せないと思った双葉はひとけの少ない自動販売機に向かった   ふぅ、びっくりしたなぁー… まさか植村裕介さんだとは思わなかったし しかもこんな平凡な私を覚えてるなんて そりゃ逃げちゃうよ… はぁー… とりあえずミルクティー飲んで落ち着こう…   カチッ、カチッ あーもうっ!こんな時に限ってなんであかないのさっ! カチッ!カチッ!   「ぶっ、ふっ…」 え?   「どんだけイライラしてんだよ、ふはっ」 頭の上から声がする…見上げてみると…   …!? この人、どこかで…あ、今日植村さんと一緒にいた人…? 「…?なに?もしかして見惚れちゃった?」   にこっ そのイケメンの完璧な笑顔に見惚れそうになりながら 「見惚れてません!」 「あ、そう?なーんだせっかくオトしてあげようと思ったのに」 はい? 「まぁいいやっとりあえず貸してみな」 カチップシュ 「はいどーぞ」 「あ…、ありがとうございます」 「1年生?」   「え?あ、はい」 なんでわかったんだろ…? 「リボン、赤だからね。そんなに不思議な顔しなくても…ふはっ」 あ、そっか。 この商業高校では女子生徒にはリボン、男子生徒にはネクタイが規則となっている ちなみに1年生は赤、2年生はグレー、3年生は青だったはずだ   ってゆーかこの人さっきから笑いすぎ! 「ねえ」 「はい?」 「名前、なんてゆーの?」   「え!?あ、中野双葉です」 「ふーん、双葉ちゃんかー俺は加藤雄大よろしくね」   「はい」   「じゃ、そろそろ行くね双葉ちゃん」   歩くのはやっ!もういないし… ってゆーか双葉ちゃんって…男子から下の名前呼ばれ慣れてないから変な感じだな……
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加