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『ⅨⅨⅦ出ろ』。
シリンダーの中の液体が抜かれて強化ガラス製の開閉口が開いた。
『はい』。
僕はシリンダーから出るといつものように身体をバスタオルで拭き、検査着を身に付けた。
『ついて来い』。
研究所の警備係の制服を着た男性に促されて、シリンダー群が設置してある部屋から歩み出た。
『ギャアアッ、もう、もう嫌だ!!』。
『お願い助けてっ!』。
廊下に出ると至る所から人間の出す音が聞こえた。
警備係の制服を着た男性は鼻で笑い。
『大量生産の実験用のクローン達が騒いでやがるな。おいⅨⅨⅦお前もそろそろ廃棄処分だな』。
『はい。予定では今日行う実験の結果が出しだい、廃棄処分になる予定です』。
『お前は手間がかからないから仕事が楽だったんだがな。お前が廃棄処分されたら、同型のクローンをまた作ってもらえると仕事が楽でいいな』。
警備係の男性が僕がいつも処置される実験室の前に立ち、セキュリティスキャンを受けてからドアを開けた。
警備係の男性と僕の二人で実験室に入りドアを閉めると、警備係の男性は怪訝そうに部屋の中を見渡し。
『妙だな、何故誰も居ないんだ?』。
警備係の男性が連絡をしようと、ウェアラブル端末に話しかけようとした時。
僕が警備係の男性の首筋に咬み付き、そのまま頸動脈を咬みちぎった。
『ギャアアアーッ!!』。
警備係の男性は首筋を押さえて、信じられないといった表情で僕の顔を見詰めた。
『ベッ!』。
僕は口の中の肉片を吐き出すと警備係の男性に対して。
『申し訳ありません。予定は変更になりました』。
警備係の男性は何かを話そうとしたが、崩れ落ち自らの血溜まりに倒れると暫く痙攣した後に動かなくなった。
【ここまでは順調ですね】。
『そうですね、次はどうすればいいですか?』。
【はい。貴方と同型のクローンが今日隣の実験室で廃棄処分される予定になっていましたが、予定を変更しました。貴方は廃棄処分される同型のクローンの死体として、この実験施設から出てもらいます】。
僕は検査着を脱ぎ裸になると、実験室のシャワーで返り血を洗い流しバスタオルで念入りに水分を拭き取り新しい検査着を着た。
『隣の実験室ですね?』。
【はい。隣の実験室で貴方と同型のクローンが廃棄処分にされる予定になっていました】。
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